2019年1月8日火曜日

今までどうやって英語を勉強してきたのか その4(さいご)


この一連のエントリーの最後に、英語学習について普段どういうことを意識していたか/いるかを書いてみます。同じようにアメリカで生活したり、仕事したり、研究したりしていても、英語の上達は人それぞれ劇的に違います。「こうしたら絶対早く上達する」とかそんなのはありませんが、私を含めた凡人かつ非帰国子女はひたすら試行錯誤を繰り返すくらいしかやりようがないんじゃないかと思う。

1つ目。私が一番意識して続けているのが、ネイティブスピーカーの真似。できる限り正しい英語を使う人を見つけて、その人が普段使っている言葉を覚えて実際に別の場所で使うようにしています。メールでも同じ。ネイティブスピーカーが書いたメールを部分的にパクって別のメールで使っちゃう。真似をするといいのは、自然な英語が身につくこと。今まで学校で勉強していた英語って、文脈とかほとんど無視して無理やり1対1対応をさせて試験問題にする、みたいなことをしているので、実戦であまり役立たないんだと思う。仕事をしているといろんなメールを書くことになるのですが、使いたい単語がわからないことがよくあります。そういう時はWeblioとかAlc英辞郎とかで調べて単語を見つけてメールしますが、経験的に不自然な言い回しになってしまいます。後でやり取りを見てみると、相手が違う表現を使っていることから、自分の単語の選択がいまいちだったんだな、となんとなくわかっちゃう。おそらくWeb検索では文脈が微妙に違うのでなかなかうまくいかないんだと思います。そうやって調べることを否定はしませんが、真似が手っ取り早く、かつ適当である可能性が高い。もちろん日本人でも普段のメールは文法がめちゃくちゃだったりすることはあるし、こっちの一方的な勘違いとかが起きうるので、なんでも鵜呑みにするのは危険かもしれませんが、ある程度の誤差は無視します。よく使う言い回しとかはしょっちゅう出てくるので、すぐ慣れます。あとはそれを繰り返すのみ。間違っていたら、たぶんどこかで気づきます。日本語だって、「恥ずかしい間違い」ってあるから、気にしない。子供が語学を学ぶのと同じプロセスです。

しゃべり言葉にしても同じで、人が使っている言い回しをほかで使ってみます。アメリカ人っぽくなった感じになって気分は悪くない。それっぽい雰囲気を出せば、なんとなく楽しいような気がしてくるから不思議。アメリカ人ってリズムを取りながらしゃべったりする人が多いです。(ちょっと練習してから)それを真似てやってみると、なぜかより良く話が通じているような気がする。なんとなーく不思議な一体感を感じるのです。それが何の足しになるのかわかりませんが、話し相手も普通にしゃべっているような気になって、話に集中しやすいのかなあ。

2つ目に気を付けているのは、しゃべる機会を意図的に避けないこと。アメリカで仕事をするにしても今の私の仕事ではかなりの部分をメールで済ますことができます。でも、それではもったいないし。やっぱりF to Fとか電話とかで話をできるほうが、便利。メールだけでは限界があります(日本語でも同じ)。話が通じなかったりして気まずい思いをするのは仕方ないので、それでも食い下がって会話を成立させるのはいい訓練です。

3つ目に気を付けているのは、英語ばかりに気を取られずに状況を整理し、前提を確認しながらきちんと論理的に話すことです。英語のせいで伝わらないことを心配するより、伝えたい内容がちゃんとまとまっていないほうを心配するほうが大事。メール書くなら箇条書きを有効に使って文字数を減らす。口頭で話す場合はメモとかを事前に用意して印刷して持っていくか、相手にメールで送っておき、それをベースに議論開始する。議論の後はもちろんメモを作って合意事項とアクションアイテムの文字での確認。

おまけですが、「私は英語苦手だから」とか「Sorry」を連発するとか、こういうのはNG。私も渡米当初は何も考えずに言ってましたがしばらくして意図的にやめました。英語のネイティブスピーカーでないことは一瞬で分かるので発言自体に意味がないし、それよりも伝えるべきことを短時間で伝えることにエネルギーを注ぐほうが相手にとって失礼がないと思います。自信をもってはっきり、大きな声で発言すること。仮に周りに日本人がいても気にしないこともコツかも。今の仕事上、たまに日本の会社の人も会議に入って英語でやり取りすることも発生します。それでも気にせず堂々としゃべる。日本人はこういうのが苦手だと思いますが、恥ずかしがっても何の得もなし。伝えるべきことを伝えることに徹するほうがみんな幸せです。

ネイティブスピーカーに近づくことなんて目指してません。発音も通じればOK。ブリティッシュイングリッシュがかっこいいとか、正統派だとか、そういうのも一切なし。ストレスなく自分の思ったことを英語でも伝えられるようになれば十分です。過剰でない適当なゴールを自分で設定することも大事だったのかもしれない、と今になって思います。

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